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風神雷神を訪ねて

大阪出張の帰りに半日休暇を取り俵屋宗達の風神雷神図(国宝)を見ようと京都で途中下車しました。
 
 三十三間堂・・宗達が描いたモデルと云われる風神雷神像がある
 建仁寺  ・・宗達が書いた風神雷神図の模写がある
 京都博物館・・建仁寺から寄贈された原画が有る
 
先月原田マハのこの表題の小説を読んで有名な絵ですから雰囲気は知っていたのですが現物を見てみたいと思ったからです。
小説は宗達が信長に接見して数人のカトリックの若者と3年かけてローマまで行くとの壮大な(少々書き過ぎか・?)話で実に面白く読みました。 
 
 三十三間堂は高校の修学旅行と、10数年前に尋ねたことがありますが
 多数の仏像が並んで圧倒された・・との印象ぐらいで、そこに俵屋宗達の
 モデルの風神雷神が有る事は全く知りませんでした。
 
なので今回、三十三間堂で現物を、建仁寺で本来あるべき場所で見て見る、
京都博物館で本物の風神雷神図を見るなどの細やかな旅です。
 
・三十三間堂にて
 
 千体の金箔の仏像(木造と思う)がびっしりと後方に並んでいてその最前列に
 国宝の仏像が数体並んでいます。その一番手前に風神像が最後方に雷神像が
 この三十三間堂の多数の仏像を守るように鎮座していました。
 元は宗達の書いた絵のようにカラーだったとの事ですが1000年の時代を経て黒
 くくすんでいました。(それはそれで良い感じ)特に風神像の下界を見て守る
 ような目線が心に残りました。
  
 ・建仁寺にて
 
 外国人ばかりの祇園の小道を抜けると建仁寺があります。 何と風神雷神図は
 入ると直ぐに有りました。
 
   4枚の屏風で縦1.5m横6mぐらいで・・かなり圧倒されます。
   国宝(模写)との先入観なのか宗達の人間ドラマを小説で読んだ理由か
   目の前の風神雷神屏風図は何かの災いからが私を守ってくれるような
   錯覚にさせます。 素晴らしい・・
   風神と雷神が左右の四隅にいて中央が空いています・・絵の中心がスペース
   になっている不思議な構図です。 真ん中に見る人が入り風神雷神が
   守ってくれる・・との構図なのかも知れません
   三十三間堂で見たモデルの風神雷神像とはとは目線と優しさが違って
   いるように思えました・・
  
 建仁寺の土産店の人に
  三十三間堂の風神雷神と目線が違う
  宗達の絵の真ん中の空間の意味は
 と聞きましたが、担当がいないのでないので分からないと・・
 
 でも西洋の印象派の絵画とは異なり、何か”語りかける””物語が有る”そんな気が
 して暫し立ちすくみました。
 

20191212

 ・京都博物館にて
 
 なんと工事中で見られず・・残念・・ではあるけど、数年後少し時間を空けて
 また、この本物の風神雷神を見るのも楽しみなのかも知れません。
 
紅葉が終わりかけた京都の風神雷神を訪ねる小旅行は私の心をかなり癒しました。